ある若者との対話

今日は、二つの会社の社長のお見合いの仲人役を努めた。

二つの会社が連携し、お互いの強みで市場に参入するお膳立てをした。

打合せは午後3時からだったが、最寄り駅に1時間半も前に到着した。早すぎるが、今日は風が強く、いつ電車が不通になっても約束の時間に間に合うための安全策だ。

早すぎたため、駅近くのお客がほとんどいないミスタードーナッツで、ドーナツとコーヒーを楽しみながら、面白い本を読んでいたところ、少し離れたところに座って、熱心に勉強している若者を見つけた。
しばらく、読書しつつ眺めていたら、ふと目が合った。

「熱心に勉強していますね。何かの資格試験ですか?」と思わず聞いてしまった。
非常に合格の困難な資格試験に挑戦しているとのことであり、話が進んだ頃、その若者から「お金持ちになるにはどうすれば、いいですか?」と聞かれた。

それを聞くならお金持ちに聞いたらと思ったが、気を確かにして
「お金持ちって言うけど、一体いくらの収入や財産でお金持ちというの?」と質問したところ、答えに窮してしまった。

その後、色々と話したが、結果的に分かったことは、何となく不安だから困難な試験さえ合格すれば、どうにかなると考えていることが分かった。しかし、だからと言って、困難な試験にチャレンジする意欲は高く評価されるので、頑張るように話し、分かれた。


お金持ちになりたい・・・という漠然としたイメージだけではだめだと思う。

会社も同じだ。売上が減ったので増やしたい。コストが増えたので削減したい。
それだけでは、どうにもならない。

売上もコストも明確な数字を設定する必要がある。

そのために何をするかを決め、それを愚直に実行する。それも毎日絶え間なく実行する。それが目標実現の一番の近道だと思う。

明確な目標、そのための計画、愚直な実行、結果の反省と改善
・・・どこかで聞いたような
そうですPDCAです。マネジメントシステムです。

ISOの認証取得する会社は品質が減少し、環境が増えているという。
品質だ、環境だとシステムの違いはあるが、本質は会社にPDCAを定着させることではないかと思う。

そして、ISOのための活動ではなく、毎日の活動がISOでありたい。


こんな考え方でコンサルティングしていると、時間がかかるが、本当の改善が可能だ。


まさか「改善なんかいいから、認証取得だけ」という社長はいないだろう。
しかし、結果的にそんな運用が多く見られる。
今こそ、お節介精神で「ISOをどけんかせんといかん」という気持ちでお節介しようと思う。