a)組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し、参照する
ような手順を確立すること、実施すること、維持すること
が要求されている
まず、注意すべきは必ずしも「著しい環境側面」に絞っていない点である。
組織の環境側面は「4.3.1環境側面」にあったように、組織が管理できる、組織が影響を及ぼすことができる環境側面を意味している。この点がまずは重要である。
自分は「適用可能」という言葉にこだわりをもっていたが、審査に関係する方々、多くの参考図書で自分のこだわりに対する答が見出せなかった。
「適用可能」と判断するのは、組織であろうが、法律は強行法規という言葉があるように、当事者が適用可能か否かを考える余地なく、適用される法律が大半と思える。例えば、騒音規制法で定められる特定建設作業を行う場合、市町村長に作業の届出をしなくてはならないため、建設業者は届出ている。これは、環境マネジメントシステムを持っているか否かに関係なく、届けていた。この法律は「適用可能」ではなく、「適用すべき」ではないかと思っていた。
しかし、このような法律が「適用可能」か「適用すべき」かを考えるよりも、法令順守の仕組みを環境マネジメントシステムの中でしっかりと持つということで、法令順守の意識が高まり、チェックや評価の考え方が定着することで、結果的にマネジメントシステムの有効性が高まると思うので、ここでは単純に環境側面に適用可能な法的要求事項、その他の要求事項を特定すると考えてもいいかなと最近思うようになった。

環境側面に関係して適用可能な「法律」を特定するとせず、「法的要求事項」を特定するとある。この意味は、単に○○法と法律の名称をリストアップすることを要求しているものではなく、その環境側面に対して法律が何を具体的に要求しているかを特定する必要がある。
例えば、騒音規制法では環境側面が建設機械の稼動が考えられ、法で要求する内容は、特定建設作業を指定地域で実施する場合の事前の届出であり、これを認識できるリストがあれば現場で分かりやすくなり、届出モレのチェック体制があれば、法令順守力が高まることとなる。
全ての環境側面に適用可能な法律をチェックすることは、相当に大変な作業になると思うが、法律は知りませんでしたが絶対許されない世界であり、企業が法を犯したとなると、自然人に対する罰則に法人に対する罰則が適用される両罰という厳しい状況もある。
しかし、一般に中小企業ではこの作業を一度行えば、安心して事業活動が継続できるので、ぜひ時間をかけてでも実施してほしい。
その他の要求事項は、お客様からの要求事項、業界の行動規範等がある。特殊な例としては、事務所からの一般廃棄物の分別がある。市町村の収集運搬の場合は、市町村から分別方法に関するパンフレット等があり、ここにその市町村における分別方法が書いてある。この分別方法は、法的要求事項?それともその他の要求事項?
また、オフィスビルに入っている場合、そのビル管理会社から分別のお願いがある。このお願いは恐らく多くの方が「その他の要求事項」と答えるだろう。
さて、市町村からのゴミの分別方法の指示は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の要求事項でしょうか?それとも、その他の要求事項でしょうか?
(A)法的
(B)その他
コメントに思った答を書いてください。できれば、そう思った理由も書いてください。