様々な組織の環境マニュアルを読んでいると、不思議に思うことがある。その一つは、環境方針である。
JISに示される規格要求事項は、以下のとおりである。
『トップマネジメントは,組織の環境方針を定め,環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で,環境方針が次の事項を満たすことを確実にすること。
a)組織の活動,製品及びサービスの,性質,規模及び環境影響に対して適切である。
b)継続的改善及び汚染の予防に関するコミットメントを含む。
c)組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を順守するコミットメントを含む。
d)環境目的及び目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。
e)文書化され,実行され,維持される。
f)組織で働く又は組織のために働くすべての人に周知される。
g)一般の人が入手可能である。』
上記の要求事項は、環境方針ではa)〜g)までを確実にすることを求めており、結果的に環境方針が上記の要求事項を満足した内容、運営であればよいと思われる。
一方、様々な組織の環境マニュアルでは、誰が、どのように設定するか、改訂するか、周知はどうするか等の決め事を事細かに定め、通常は1〜2ページを使っている。

自分が考えるに、環境マニュアルの中に示す環境方針の項目では、ただ単に上記の要求事項を満足した環境方針を掲示するだけでよいと思う。

すなわち、
4.1 環境方針の内容は、ただ単に組織の環境方針を示す
というシンプルなもので十分だと思う。

このように多くの組織の環境マニュアルは、JISの焼き直しのようなマニュアルが多く見られるが、JISの要求事項を順守した結果のマニュアルと考えると、かなり薄くなり、シンプルになるように思える。