この教科書は対象とする生徒に自分自身で考える力をつけることを目的にしていると思う。非常によくできた教科書である。この教科書は子供を持つ親は一度でも手にすべき本の一つだと思う。全部を紹介できないので一部だけ紹介したい。
〜歴史を学ぶとは〜(抜粋)
歴史を学ぶとは、今の時代の基準からみて、過去の不正や不公平を裁いたり、告発したりすることと同じではない。過去のそれぞれの時代には、それぞれの時代に特有の善悪があり、特有の幸福があった。
ジョージ・ワシントンアメリカにとっては建国の偉人であるが、イギリスにとっては必ずしも偉人ではない。
歴史は民族によって、それぞれが異なって当然かもしれない。国の数だけ歴史があっても、少しも不思議ではないのかもしれない。
歴史を固定的に、動かないもののように考えるのをやめよう。歴史に善悪を当てはめ、現在の道徳で裁く裁判の場にすることもやめよう。歴史を自由な、とらわれのない目で眺め、数多くの見方を重ねて、じっくり事実を確かめるようにしよう。
そうすれば、おのずと歴史の面白さが心に伝わってくるようになるだろう。

大東亜戦争(太平洋戦争)初期の勝利〜(抜粋)
日本は米・蘭・英軍を破り、結局100日ほどで、大勝利のうちに緒戦を制した。これは、数百年にわたる白人の植民地支配にあえいでいた、現地の人々の協力あってこその勝利だった。この日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの多くの人々に独立への夢と勇気を育んだ。

極東国際軍事裁判〜(抜粋)
この東京裁判では、日本軍が1937年(昭和12年)、日中戦争で南京を占領したとき、多数の中国人民衆を殺害したと認定した(南京事件)。なお、この事件の実態については資料の上で疑問点も出され、さまざまな見解があり、今でも論争が続いている。

国際連合と冷戦〜(抜粋)
中国共産党は1949年10月、北京で中華人民共和国の成立を宣言した。その翌年から
チベットに軍隊を進め、多数のチベット人が犠牲となった。