高木善之氏による「地球大予測Ⅱオーケストラ指揮法」を一気に読み上げた。340ページの大作であるが、ぐいぐいと引き込まれる内容であった。
企業経営者、管理職者は必読の一冊である。
一例であるが、例えば部下からの質問に対しては、上司として完璧な解答を示す必要があると考え、あるいは上司としての威厳を保つため、懇切丁寧な解答をする。このことが、部下が自主的に考えるチャンスを奪い取るということが示されている。
そもそも何が大切かということであるが、仕事を成功させること、そのためにルールを守らせること、技術指導に徹すること、ミスは徹底的に原因を究明し対策を明確に指示すること、ミスが生じないよう厳重な管理をすること、ミスに対しては厳しく責任を追及すること、ミスが多いメンバーはプロジェクトから外すことが普通であろう。しかし、部下を激しく叱る自分、叱られることで自信を喪失する部下、何かが違う。
組織では一人一人が真剣に本気でなければ組織は動かない。従来の管理職者が上記のような囚われに囚われている限り、その組織は本当の意味でのチームワークはできない。外見上のチームワークであろう。
「何だ!また君のミスか。いい加減にしろ、何年働いているんだ。失敗を取り戻すため今日は徹夜で残業だ。今度失敗したらチームから外す」と言わなければダメなのでしょうか?それとも、これが管理職の思いやりでしょうか?管理職者は叱りながら幸せを感じているでしょうか?部下は一層やる気を増すでしょうか?きっと、逆方向にしか行けなさそうです。
「残念だね。ミスのリカバーをどうしようか?」と聞けば済むことかも知れませんね。
一方褒めることもある意味部下の自主性の芽を摘み取るということもありました。褒めることは、上から下へのご褒美のようなもので、上司の一方的な価値観で評価していることが多く、部下は上司に褒めてもらうことを目的に仕事をし始める恐れがある。部下は何のために働くのでしょうね?
しつこいようだが、この本は経営者、管理職者は必読の書であると断言したい。