建設業といっても様々な業種に分類できよう。いわゆるゼネコン、マリコン、サブコン、設計事務所、建設コンサルタント、測量業者、地質業者・・・建設をキーワードにする業種は非常に多く存在する。
建設業界の市場は6割が民間建設投資、4割が公共投資である。土木と建築で見ると、ほぼ半々である。
公共投資の8割が土木であり、いわゆる公共投資依存型の建設業者は、全体の建設投資の3割強の投資減に苦しんでいる。すなわち、官公需の減少である。
官公需の大半は、新発注方式は見られるものの、基本は指名競争入札である。この分野でのみ生き残りを模索する企業は、圧倒的な他社との差異化要因を有しないケースが多く、受注の決め手はダンピングに依存するのみである。その結果、業務量の増加はあっても売上高の減少を招き、従業員の負荷は増大するばかりである。
特に中小規模が大半の建設コンサルタント業者、測量業者、地質業者にあっては、一部の大手を除くと他社との差異化要因は皆無で、まさに存亡の危機にある。
しかし、この業界においては、いわゆるバブル時の経営者が誰であっても、どこでも対前年度増収増益を繰り返した思い出があり、今でも効果的な対策が想像もつかない状況である。いわゆる「茹でガエルシンドローム」を体現している最たる業界といえる。
しかし、見方を変えると、他社も思考停止状態であるということは、自社が工夫次第では、顧客として見込みが少ない官公需よりも、可能性のある市場を発見可能な余地があることを示唆しているともいえよう。
いずれにしても、自社の強み・弱み、市場環境の機会と脅威を冷静に分析し、自社の創業時の経営理念を思い出し、世の中に自社が何を期待されているか、その期待にどうやってこたえていくかを真剣に考えるべき時代になったことを自覚した企業が勝ち残れると思う。
自分は、建設コンサルタント業が我が国経済社会において果たしてきた重要な役割を考えると、今後とも一層の発展を願うものである。そして、そのため微力ではあるが、自らが中小企業診断士になり、何らかの貢献を望む者である。
今後とも、自らの生活を正し、スキルアップ人間性の向上に努め、建設業の発展に貢献したいと思う。