雇用維持から新規雇用の創出へ

製造業における人員削減の動きが社会問題化している。当面は流動性の高い人材として、請負社員、派遣社員、期間雇用社員を削減しているようだが、このままの無策が続けば、正規の従業員の解雇も幅広く実施されることとなろう。

世界的な不況によって、製造量が激減すれば、生産調整を行うことは当然の判断であり、余剰人員を抱え込むだけの余力を企業が持ち合わせていないことも事実だろう。

過去官公庁の仕事で生き延びてきた建設業界にあっては、官公庁の発注力が減少するなか、新分野を模索してきた。一部の意欲的な企業は、農業、介護、福祉、林業、リサイクル等に挑戦し、会社としての雇用を維持してきた。

今回の問題を考えると、大きな人材雇用力を持っていた製造業が、人材を雇用するだけの体力を消耗した結果、会社という経営体を維持するため、人材を切り捨てるという判断をした結果だと思う。

しかし、建設業で見られた血のにじむような雇用を維持するための、努力、工夫はしてきたのだろうか。
ここ数カ月の中で判断し実行する場面は多々あったと思える。

機械部品を製造している会社が、雇用を維持するだけの製造量が確保できなければ、今の人員の雇用をいかに維持するかを真剣に考えてきただろうか?

一方、世の中には人員の偏在によって、農業、林業水産業等の基礎的な国力を維持する力が減退している。

雇用を維持するだけの体力のない製造業から、今一度国力を維持する農林水産業へ雇用がシフトするような新規雇用の創出策を国家的に考える時期ではないかと思う。

さらに、この時期だからこそ、担い手が減少し続ける農林水産業の担い手を大幅に増やすチャンスではないだろうか。

与党だ、野党だと言っている暇はない。リミットは迫っている。経済政策を政局の道具にしかできない国会議員は次の選挙で生き残ることだけが、関心事なのだろうか。

学校のテストで高得点を取るテクニックしか身につけてこなかった国会議員よりも、人の心の痛みを知る国会議員が増えなければ、国家としての未来は委ねることは難しい。

いっそのこと、国会議員、県会議員、市区町村議員の報酬を今の10分の1に減額してみてはいかがだろうか。
それでも、議員として国家の未来を誇りを持って語る議員であれば、委ねてもいいと思う。


今年も多くの中小企業の社長の方々と語る中で、世の中の矛盾や憤りを感じる現象を見てきた。
自分が関わりを頂いた企業においては、少しでも経営の向上にお役に立ちたいとの思いで全力で走ってきた。
精神的、体力的にかなりの無理を重ねてきた。
毎年のことだが、年末年始はこれらの疲労を癒し、新年に向けた貯金の時間とする。

今年も10日となった。想いを今年に残さず、来年の飛躍を目指したい。