は、環境マネジメントシステムで、最大の責任と権限を持つ、面白い仕事ですね。
大きな会社では、事業部毎に環境管理責任者を配置して、それらを総括する総括環境管理責任者、あるいは統括責任者を置く事例が多いですが、小さな会社では環境管理責任者が全ての責任と権限を有するケースが多いです。
大きな会社では、環境管理責任者は、環境マネジメントシステムだけで手一杯になり、専念できます。また、環境管理責任者をサポートする人的な資源も豊富で、相当な予算を使っています。しかし、小さな会社では人的な資源も少なく、一人の環境管理責任者が全てを背負っていることが大半です。
小さな会社の環境管理責任者は「とにかく大変!」と言えます。
今日は小さな会社の環境管理責任者について考えたいと思います。
規格では、環境管理責任者は規格要求事項に従って、環境マネジメントシステムが確立され、実施され、維持されることを確実にすること、改善のための提案を含めてトップマネジメントのレビューに必要な情報を提供することとあります。
規格で想定している環境管理責任者の業務は、まさにシステムの管理者であり、トップマネジメントへの橋渡し的な役割と言えます。
しかし、小さな会社では、環境管理責任者がほとんど全ての雑用まで行うケースが多く見られます。例えば、環境・目的目標の達成状況を監視・測定しそれを記録に残すこと、従業員に対する教育訓練計画を策定し、教育訓練を実施し、その記録を作成すること、環境側面に適用可能な法的要求事項やその他の要求事項を特定し、順守を確認し評価し記録に残すこと、・・・・ありとあらゆる環境マネジメントシステムの全てを一人で担当しています。

環境管理責任者は大変だ〜!

大変な仕事をしっかりと消化され、定期審査や更新審査に対応される環境管理責任者の方々には頭が下がる思いです。

しかし!これで本当に組織にとって、環境マネジメントシステムが定着し、従業員の理解が進み、意識が変化・向上するでしょうか?あるいは、環境マネジメントシステムが経営に役立っていると言えるでしょうか?

(中断)
小さな会社が認証取得される場合、コンサルを導入するケース、地力のみで頑張るケースがあります。地力で取得された場合は、システムの完成度や成熟度は別にして、審査における指摘の意味が十分に理解できる、あるいは理解しようとの姿勢が見られます。
しかし、コンサルを導入されたケースでは、何でもコンサルに頼ってきた経緯から、指摘の意味を理解しようという気持ちが少なく、指摘の対応もコンサル任せのケースも多いのではないでしょうか。

僅か20〜30ページのマニュアルで、帳票も数枚でスリムなシステムを謳い文句にしたコンサルもあると聞きます。確かに薄ければ持ち運びに便利で帳票が少なければ、日々の管理も簡単そうに思えます。
マニュアルが薄いこと、帳票が少ないことは、物理的な取り扱い、精神的な負担が少ないとの錯覚を与えるのに十分でしょう。しかし、問題は中味ですね。あるいはシステムが経営に役立つか否かではないでしょうか?
ただ単に薄い、簡単だけを拠り所にすると、とんでもないシステムになる恐れがあると懸念する自分は、お節介ですね。

問題はそのマニュアルの提供の仕方でしょう。単に雛形を提供し、内容を理解しないまま、コンサルの指示どおりに進めることで、認証を取得すると、取得後の運用が大変だと思います。

コンサル選びが取得後のシステムの有効性、妥当性、適切性を左右するんだな〜と最近実感しています。

(続き)
全社の環境マネジメントシステムが環境管理責任者で完結するシステムであったならば、それはどれほど経営に効果があるか、このブログをお読みの方には理解できると思います。
「認証が取れて、維持できれば、どうでもいいんだよ!」と言う方には、今ここでお話している内容は何ら意味の無いことです。
しかし、ISOは取ったが経営に本当に役立っているのか、役立てることができるのか、心配な方は、今後のこのブログに注目です。

明日は環境管理責任者の本来やるべき仕事を書きたいと思います。

全ての中小企業にマネジメントという考え方を導入することで、中小企業の経営を強くしたい。そんな想いでこのブログを書いています。

楽しみながら勉強しましょう!