ISOを取ろうと思わず、普段どおりの業務をしていれば、ISOが取れるという考え方です。
簡単に言いますと、「もったいない」という心で仕事をしていると、元々コピー用紙も無駄にしない、電気もこまめに管理する、ゴミも可能な限り分別するなどは、当然のように行っていたのではないでしょうか。さらに、このようなことを行う場合、誰かがリーダー的な役割を担っていたのではないでしょうか。
ISOでは「オフィス活動」という分類の中で、紙、ゴミ、電気が業種に関係なく目的・目標に掲げています。これは、ISOを取るために紙、ゴミ、電気を取り上げ、PDCAを回そうという発想です。
前者はISOはなくとも十分な管理ができていますが、後者はISOのために新たに始めた活動です。前者は当たり前、後者はISOで新たな活動が加わった。どちらが、社員の自主的な取り組みが期待できるでしょうか。
中小企業にはPDCAが明確でないケースが多いので、ISOを導入してPDCAを根付かせようという考え方もあります。しかし、私はむしろPDCAを念頭に業務プロセスや意思決定過程を見直し、より戦略的な方向性で考えるとよいと思います。
このような考え方で、業務や意思決定プロセスを見直すことで、後は、それをISOの規格が要求する言葉に翻訳をし、文書化し記録を持つこと、そして認証のための審査を受けることで、結果的にISOが取れるという考え方です。