b)を簡略して記述すると、要求事項は、
①著しい環境側面を決定する
②著しい環境側面に関する情報を文書化し、常に最新のものとする
③環境マネジメントシステムには、著しい環境側面を確実に考慮に入れる
本日は、③に関して記述したい。
環境マネジメントシステムは、著しい環境側面を管理するシステムである言われるが、この要求事項はそれを表現している。
すなわち、特定された著しい環境側面による環境影響を改善するための方法を考えるものである。改善の方法として、著しい環境側面を考慮した「4.3.3 目的、目標及び実施計画」とするか、著しい環境側面に関係する従業員等に対する「4.4.2 力量、教育訓練及び自覚」とするのか、著しい環境側面に関する「4.4.6 運用管理」とするか、著しい環境側面を「4.5.1 監視及び測定」するのかを決めることとなる。
例えば、著しい環境側面でありながら、技術上の理由等で目的や目標の設定では考慮できないが、少なくとも監視及び測定の対象にするという対応が必要になる。
なお、著しい環境側面は必ずしも環境に有害な影響を及ぼす側面に限られたものではなく、有益な影響の環境側面も選定することも規格上問題はない。
従って、組織の活動等が地球環境や地域環境に有益な効果を及ぼす側面が、自社の提供可能な商品、サービスであれば、これも著しい環境側面として決定することで、その側面の効果を継続的に改善する仕組を持つことも可能になる。
有害な影響にだけ囚われることなく、自由で豊かな発想で著しい環境側面を決定する仕組に、考え方を持つことで、ISOに対する閉塞感を抱く組織にとっては、新しい展開が可能になると考える。