まず、環境側面とは何かを理解する必要がある。
組織が活動を行うことによって、様々な環境影響を及ぼすこととなる。環境影響は大きな影響から小さな影響まで様々である。環境に影響を及ぼす要因も様々である。すなわち、環境側面とは、環境に影響を及ぼす様々な要因といえる。
環境に影響を及ぼす要因(環境側面)は、組織の活動、製品、サービス等の切り口で整理すると分かりやすい。
規格で活動、製品、サービスは定義されていないが、活動とは、事務作業、営業、製造、工事等であり、製品とは製造物、設計図、建築物等である。サービスとは、アフターサービスやフォローアップ等と考えることができる。
なお、ここで注意したい点は、環境影響が必ずしも有害な影響だけを意味するものではなく、有益な環境影響も意味しているということだ。
有益な環境影響をプラスの環境側面と称することもある。
これまでは、有害な環境側面による影響を軽減するために、有害な環境側面を重点管理するという発想が中心であったが、今後は有益な環境側面に管理の重点がシフトするのではないかと思う。
確かに、有害な環境側面を重点管理することで、環境リスクの低減等の効果はあろう。しかし、認証を維持する費用とその効果、すなわち費用対効果のうまみを十分に享受できないため、徐々に「ISOのためのISO」になりはしないかと懸念する。
有益な環境側面は組織によって、考え方がバラバラであろう。有害な影響であれば、いわゆる典型7公害等分かりやすい。しかし、有益な環境影響は、組織で自社の強みを理解しなければ、中々導けないものだと思う。
有益な環境側面とは何か、これを組織では十分に考えてほしい。
自分のコンサルティングスタイルは、この有益な環境側面を重点管理し、費用対効果を最大限に引上げようとするものである。最終到達点は「経営に役立つISO」である。