規格が要求する事項は、環境方針に関して、誰が、何を、どのように設定し、設定したものをどのように扱うかである。
誰が:組織のトップマネジメントが
何を:組織の環境方針を
どのように設定し:規格のa)〜d)で定められる要求を満足するように設定し
どのように扱うか:規格のe)〜g)で要求される対応をする。
環境マニュアルにおいて、どのように文書化するかを以下で述べたい。
一般的に環境マニュアルでは、上記の「誰が、何を、どのように設定し、どのように扱うか」を規格要求事項を転記する形式で書かれ、環境方針を記載されるケースが多い。
これで特に問題はないが、規格が求めていることは、環境方針そのものであって、マニュアルに設定の方法、考え方を記載すること自体を求めているものではない。
マニュアルを可能な限りスリムにしたいと思うならば、一例であるが、以下のような記載方法は、いかがであろうか。
『4.2 環境方針』
○○株式会社代表取締役社長は、JIS Q 14001:2004に準拠し下記の環境方針を定める。なお、環境方針は当社の全従業員、当社のために働く全ての人々に対して、教育訓練計画に基づく教育で周知し理解させ、さらに、当社ホームページで一般に公開することで当社の環境に対する基本姿勢を周知させる。
(以下、環境方針・・・・・・)
上記のような書き方だと、環境方針を含めて1ページで納まると思う。多くの組織では、規格要求事項の丸写しと環境方針で2ページに及ぶ傾向があるが、必要最小限、規格に書いてあることは規格を参照すればよいという考えで、大丈夫だと思う。
ただし、規格要求事項を丸写しする場合は、転記ミス等があってはならない。それは、規格要求事項に反した環境マニュアルとなり、不適合の指摘対象になる恐れがあるからである。
明日以降は、環境方針に関する規格要求事項の詳細について考察したい。