になると、南からの強風が吹き、春一番と呼ばれる。
以前、建設関係の仕事に従事していた頃、春一番が吹き、桜が開花し、もうそろそろゴールデンウィークだと思う頃までは、年度末納品の仕事で多忙な日々を過ごした。会社で徹夜で仕事、土日も仕事というのが当たり前の生活だった。
しかし、その当時は忙しければ忙しいほど、徹夜を繰り返しても、苦しいとは思わなかった。不思議なことに「さあ!今日も徹夜だ!」という言葉に、何となくワクワク感を感じることもあった。
最初の職場では、誰かが徹夜をするということが決まれば、誰かが手伝ってくれるという社風があり、お互いに助け合った。
徹夜仕事の夜中は、近くの屋台のおでん屋さんでおでんを買ったり、コンビニでカップラーメンを買ったりして、皆で食べた。
明け方には疲れきった仲間と会社の床に新聞紙を敷いて寝た。
今思えば、かなりハードな日々を過ごしたが、常に自分の仕事に誇りを持ち、どんな困難にも負けない気持ちとお互いの助け合いで乗り切ったと思う。
懐かしく思う季節だ。