審査は、初回、定期、更新という時期による審査の違いと、変更、拡大という内容や範囲の変更に伴う審査がある。
初回審査は、文字通り初めてISOの認証を取得しようとする組織(会社、役所、学校他)が、自組織において環境マネジメントシステムを構築し、運用し、内部監査やマネジメントレビューまでの一連のPDCAを実施し、そのシステムそのものが規格要求事項に適合しているか否かを判定されるものである。
定期審査は、年に1回、または半年に1回の定期的な審査を受けるもので、サーベランスともいう。この審査は、システムが決めたとおりに適切に運用されているか否かを確認することが主眼となる。
更新審査は、3年間の認証の有効期限が切れる前に、3年間の運用の適切性を審査されるもので、初回に準じて厳密な審査となる。
変更審査とは、環境マネジメントシステムそのものや運用の大幅な変更があった場合に、システムが変更後も適切であるかを審査するものである。
拡大審査とは、例えば今まで本社だけ、支店だけで認証を取得していた組織が、全社的に認証取得範囲を拡大するものや、ある一定の認定範囲であった組織が、新規事業開発等によって新たな範囲を加えたりするものである。
いずれの審査においても、審査員である以上、審査目的を認識し、審査を受ける立場の組織のニーズを理解した審査を進めたい。
しかし、組織のニーズとして楽して簡単に認証が欲しいというものがあったとしても、それには易々とは応じられない。建築確認のため構造計算書を易々と認めた事例が示すように、審査する立場は、「誠意と情熱と勇気」を持って正々堂々と審査すべきと考えるからである。