環境マネジメントシステムを構築するということに、心理的なハードルに高さを感じ、中々踏み切れない経営者の方も多くいると思う。
できれば、ミスも無く、失敗も無いシステムを作りたい。
できれば、あまり経営に負担をかけない範囲でシステムを作りたい。
できれば、手間をかけたくない。
できれば、・・・・・・・。
でも、なんだかんだ言っても、当社のように小規模な会社では無理。
等というお話し、ご相談をよく聞きます。
私はこれらのご相談については、まず「ISO」を取る目的を明確にしましょう。という話しをさせて頂きます。
その後、面談の中で経営者の方が明確な目的を認識されれば、やっと次のステップに移行できます。
多くの認証取得企業で、実はこの最初のステップを省略し、「とりあえず認証でも取るか」という感じで、認証を取得されるケースの場合、認証取得後の維持・管理の重圧に耐え切れず、認証取り下げなどという状況にもなりかねません。
次に、認証取得の目的が明確になると、大きな落とし穴も待っています。
それは、ミスの無いシステム、失敗の無いシステムを目指し、完璧さを求めることにより生じます。
このシステムは、継続的な改善を初めから予定しています。
最初のシステムは、規格要求事項を最低限満足するだけでもいいと思います。
むしろ、PDCAサイクルを回すことで、様々な結果を踏まえて、システムを継続的に改善することが重要になります。
ミスや失敗を恐れて、システム構築に逡巡される経営者も見受けられます。
ミスや失敗の無い経営は、あり得るのでしょうか?
何らかの目的を持って、挑戦するからこそ、ミスや失敗が生じるのであって、ミスや失敗は挑戦している証拠です。
そのようなミスや失敗が生じる前に、何らかの手を打つことを、予防処置と言います。予防処理は非常に重要ですが、中々ミスや失敗を予測し、手を打つことは困難です。
むしろ、ミスや失敗を糧として、原因を追究し、原因を除去すること、すなわち、是正処置が何倍も重要性を持つと思います。