多くの日本軍人、日本軍人とて戦った韓国の人々、一般人、米国軍人などが命を落としたサイパン天皇皇后両陛下が訪問され、数々の慰霊碑で鎮魂された。バンザイクリフ、スーサイドクリフ等では、長々と黙祷を捧げられ、その姿は見る者も姿勢を正す荘厳さを感じた。
事前に公表されていなかった韓国人慰霊碑も訪問されたことは、昨今の冷え切った日韓関係を考えると、勇気あるご決断であったと思う。
戦争は悪であり、外交の失敗と言える。しかし、米国をはじめとする欧米列強によって退路を絶たれた当時の我が国の選択肢は戦争しかなかったのだろうし、この判断を今の時代に生きる人間が批判することはできないだろう。
むしろ、60年前太平洋、中国大陸を舞台にした戦争が生じ、日本を守ろうとした多くの人々が死んだ、これは事実であり、この事実に対して真摯に慰霊の姿勢をお見せになった天皇皇后両陛下のお姿は、不戦の誓いを新たにし、全世界の友好の必要性を改めて想うものである。