兵庫県で大事故が発生した。JR福知山線の尼崎駅手前のカーブで快速電車が脱線し、50人もの貴重な人命が損なわれた。さらに、300人を超える重軽傷を負った方々もいる。
報道ではスピードの出しすぎ、線路の粉砕痕から置石など様々な憶測が飛び交っているが、原因は不明だ。
線路はカーブでは、内側よりも外側を高くし、遠心力に耐えるような構造になっている。これを土木屋はカントと呼ぶ。さらに車輪にはフランジという脱線防止の車輪の出っ張りがあり、3〜4センチも電車が線路から浮き上がらない限り、脱線は起こりえない。
遅れを取り戻そうとスピードを上げた、粉砕痕から置石または偶然石が線路に乗っていた。保線に不具合があった、あるいは日比谷線の事故で言われた横揺れによる脱線、など様々な原因が複合した事故であったように思う。
先頭車両はマンションにめり込み、2両目、3両目も相当な損傷を受けていた。最後尾の7両目は損傷もほとんどなく、乗客も軽傷で済んだようだ。電車の何両目に乗るかが運命を大きく左右した事故であった。
まずは、車両内に閉じ込められている方々が無事に救出されることを第一に祈りたい。
そして、事故原因を早期に究明し、二度とこのようなことが起こらないソフト、ハードの対策を講じることを望む。
また、事故に遭遇した方々は、肉体的な傷もあろうが、精神的な傷のケアも必要である。JRの総力をあげた今後の対応は、JRの経営が試される場となろう。
この大惨事で命を落とした多くの方々のご冥福を心よりお祈りします。