今、まさに建設業界の最先端で頑張る建設コンサルタントは、ゼネコンとは違って、目に見えない専門サービスを提供している。材料費などが必要でなく、ゼネコン業界以上に厳しいダンピング競争、あるいは役所の発注量の減少に苦しんでいる。
我が国建設コンサルタントが、現在の社会資本整備に果たした役割、海外開発援助に果たした役割は計り知れないものがある。しかし、残念ながら、どれだけハイレベルなコンサルティングサービスを提供しようとも、安ければ受注できると言うマイナスのスパイラルに陥っている。
このままでは、我が国建設業界を支えてきたコンサルタント業は、衰退の道しか残されていない。そして、我が国建設コンサルタントが生命の危険さえ犯してでも、精力的に教えてきた東南アジア諸国の安価な設計技術者への業務の流出が始まり、その結果、大手の寡占化が一層進むであろう。
これで、本当に日本の建設業界は幸せなのだろうか?