要求事項は「組織によって特定された著しい環境影響の原因となる可能性を持つ作業を組織で実施する又は組織のために実施するすべての人が、適切な教育、訓練又は経験に基づく力量を持つことを確実にする。また、これに伴う記録を保持すること」とある。
「著しい環境影響の原因となる可能性を持つ作業」とは、「4.3.1環境側面」で示されたように「環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち著しい環境側面)を決定する」という要求事項から、著しい環境側面と決定した側面となる活動、製品、サービスの作業そのものや、手順を間違えると環境に著しい影響を及ぼす作業となる。
このような作業を組織で実施する人とは、組織の従業員であり、組織のために実施する人とは、借り上げ社員、派遣社員、外注先などが該当する。このような人々に、適切な教育、訓練を実施し、その記録を保持することが必要になる。
経験に基づく力量とは、客観的な資格としての国家資格だけでなく、組織の判断に基づく組織内の資格として、従業員などに必要な力量として定めておくことが求められる。
そして、経験、資格を確認した記録を残すことが必要である。

「教育訓練のニーズを明確にする」
どんな作業や活動で、教育、訓練の必要性があるのかを明確にする。
特に教育訓練の年間計画表を作成することではないが、多くの組織では教育訓練計画表を作成しており、それによりニーズが明確にできるため、規格要求事項ではないが、計画表の作成が望ましい。望ましいが計画表がないことが、不適合ではない。
労働安全衛生法では、一般教育と有害業務に関する特別教育があるが、ISOと労働安全衛生が融合することで、システムのダブリが防止可能になる。